長期優良住宅とは?具体的なメリット・デメリットについて解説!

公開日:2022/03/15   最終更新日:2022/04/13

マイホームの購入を検討していると、「長期優良住宅」という言葉を目にする機会があるのではないでしょうか。「名前のとおり優良なのだろうと気になっているけど、あまり詳しい内容はわからない」という方も多いでしょう。長期優良住宅とはどのようなものなのか、メリット・デメリットも合わせて解説します。

長期優良住宅とは?

2009年(平成21年)に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」を施行し、国土交通省は認定基準を設けました。その基準をクリアして認定を受けた家を「長期優良住宅」といいます。

認定条件には、「長期間安心して快適に暮らせる住宅」をつくるための項目があります。長期優良住宅認定制度は一戸建て住宅と共同住宅のどちらでも利用できますが、認定条件がわずかに異なるようです。

■劣化対策

数世代にわたって使用できる構造躯体が求められ、劣化対策等級3相当が必要です。構造の種類によって異なる基準もあり、たとえば木造なら、床下や小屋裏に点検口を設け、床下空間の高さを330mm以上確保することとなります。

■耐震性

地震が多い日本では欠かせない項目です。まれに発生する地震に対して、住人の安全が確保でき、継続して住むための改修が容易になるよう、損傷レベルの低減が図れることが必要です。耐震等級2以上の建物や免震建築物などが該当します。

■維持管理・更新の容易性

構造躯体に比べて耐用年数が短い内装や設備について、維持管理を容易にするための措置がきちんと取られていることが求められます。

■省エネルギー対策

断熱性能などを確保し、省エネルギーに配慮した住宅であることが必要となるようです。新築住宅では、断熱等性能等級4をクリアすることが基準です。

■住戸面積

快適な生活を維持できる広さがあることが求められ、一戸建てでは床面積の合計が75平方メートル以上、少なくとも一つの階の床面積が40平方メートル以上必要とされています。

■居住環境への配慮

住宅が良好な景観をつくり、その他の地域の居住環境の維持や向上に配慮していることが必要であり、地区計画や条例、協定などがある場合はその内容に適合することが基準となります。

■維持保全計画

建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修計画が立てられていることが求められ、点検の項目や時期が基準として定められているようです。

長期優良住宅を選ぶメリット

■優良な住宅が建てられる

先述の長期優良住宅の認定条件をクリアしているということは、「高性能で安全かつ快適に暮らせる住宅」と認められたということになります。長期間住み続けるための性能を持ち合わせているので、世代を超えて住むこともでき、万が一売却することになったときもアピールポイントとなります。

■税金の特別措置が受けられる

長期優良住宅にすることで、税金面でさまざまな優遇措置を受けることが可能です。住宅ローンを利用する方も多いと思いますが、住宅ローン減税の最大控除額が年間40万円から50万円になり、10年間では最大100万円ほどの差になります。

自治体に納付する不動産取得税の控除額も1,200万円から1,300万円に増額されるほか、固定資産税の減額期間が長くなる、登録免許税の税率が引き下げられる、などが挙げられます。ただし、購入時期や入居時期によって内容が変わってくる可能性もあるので、利用を検討するときは事前に確認しましょう。

■住宅ローンの金利が引き下げられる

長期優良住宅を購入する場合、一般住宅の購入時よりも、住宅ローンの金利が優遇されるなど、好条件のローンを組むことができます。

長期優良住宅を選ぶデメリット

■申請のコストがかかる

長期優良住宅の認定を受けるためには費用がかかります。申請する行政により費用金額は若干異なり、自分で申請することもできますが、審査書類や図面など複数の書類を揃える手間や手続きを考え、建築会社に代行申請してもらうことが多いようです。その場合は、さらに手数料などが加わることもあります。

■建築費用が高くなる

長期優良住宅の認定基準に合わせるためには、高性能の構造部材や設備が必要となるため、費用が高くなる可能性があります。コストはかかりますが、品質の高い優良住宅になることは間違いなく、大手ハウスメーカーなどでは標準装備で認定基準をクリアできることも多いです。

■定期点検が必要

長期優良住宅の認定基準にも含まれていますが、長期的に優良な状態を保てるように定期点検が必要です。10年以内の間隔で定期的な点検を行い、メンテナンスなどを行った場合は記録を残しておく義務があります。それらのコストがかかることも考えておかなくてはなりませんが、一般的な住宅でも点検やメンテナンスは重要であり、住宅を安全かつ快適に保つためには必要なことといえるでしょう。

 

長期優良住宅にはいくつかのデメリットもありますが、長期的に安心快適に住み続けられる住宅であり、認定を受けることにより税制面などでさまざまなメリットもあります。家族の将来やライフプランを考慮し、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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