注文住宅の建築費用の内訳とは?予算内に収めるコツも合わせて紹介!
注文住宅を建てる際、何にどれくらい費用がかかるか理解しておけば、正確な資金計画をたてることができますよね。予算内に収まるように費用を削減したい時にも役立つ知識となります。ここでは、注文住宅を建てるのに必要な費用と予算内に収めるコツなどについて詳しく解説します。理想の家づくりの参考にしてください。
注文住宅を購入する際にかかる費用の内訳
注文住宅を建てるには、「土地の購入費用」「建物の建築費用」「税金」が必要です。ここでは、支払う費用項目について内訳をご紹介します。
■土地の購入費用の内訳
家を建てるためには土地が必要です。所有している土地がない場合、まずは新たに土地を購入しなくてはなりません。
土地の購入にかかる費用の内訳は、土地代金、(不動産会社を通じて購入する場合は)不動産会社への仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税が上限)、所有者変更にかかる登記手数料、土地の売買契約書やローンの借り入れ契約書にかかる印紙代、不動産取得税、(登記手続きやローンの抵当権設定を司法書士に依頼する場合は)司法書士に支払う報酬、固定資産税、ローンにかかる手数料などになります。
■建物の建築費用の内訳
建物の建築費用は、大きく分けて「注文住宅本体の工事費用」「付帯工事費」「諸費用」の3種類になります。
「本体工事費用(建築費)」は建物そのものにかかる費用で、注文住宅の総費用の約70%~80%が相場です。仮設工事、基礎工事、木工工事、外装工事など、建物の建築に必要な工事費用が含まれます。
また、材料費や廃材処分費、完成後のクリーニング代などの費用もここに含まれます。ハウスメーカーの広告などで提示されている住宅価格は、本体工事費用のみの場合が多いので注意してください。
「付帯工事費(別途工事費)」は建物の本体以外にかかる工事費用で、注文住宅の総費用の約10~20%が相場とされています。地盤改良工事、既存建築物解体工事、庭・駐車場・塀などの外構工事、水道・ガス管を敷地内へ引き込む工事、照明器具・カーテンの工事などが含まれます。
付帯工事費にかかる費用は状況によって異なり、地盤調査の結果によっては補強工事が不要のうえ、更地であれば解体工事費もかかりません。敷地によっては水道とガスの配管が整備されている場合もあります。本体工事費用と付帯工事費用の細かい内訳はハウスメーカーによって異なることがあるので、確認してみましょう。
「諸費用」は、本体工事費と付帯工事費以外にかかる費用を指し、注文住宅の総費用の約5~7%が相場です。たとえば、工事請負契約の印紙税、建物の登記手数料・印紙代、不動産取得税などの税金、住宅ローンを結ぶ際に関わる費用、地震保険料・火災保険料、引っ越し代、家具・家電の購入費などがこれに該当します。
主に事務にかかる費用や税金、新生活に必要な費用だと考えればよいでしょう。注文住宅のプランや契約内容などによって必要な諸費用は上下する可能性があるので、少し余裕をもたせて10%程度は現金で確保しておくと安心です。
注文住宅の購入費用を予算内に収めるコツ
「せっかく注文住宅を建てるのだから」とさまざまな希望を盛り込んでしまうと、当初考えていた予算を超えてしまうことがあります。ここでは、予算をオーバーしてしまった場合に、予算内に収まるよう注文住宅の購入費用を削減するコツをご紹介します。
■土地代を抑える
土地の購入が必要な場合は、土地代を抑えれば住宅の建築に使用する費用を削減することなく、家づくりにかかる総額を削ることができるようです。
土地代を抑えるためのポイントとしては「立地条件を見直す」「敷地の面積を減らす」などが挙げられます。例として、駅からの範囲を広げたり、最寄り駅に特急や急行が止まらない場所を選択したりすると、土地代を抑えることが可能です。
■住宅設備や仕様のグレードを抑える
住宅設備にはキッチン・洗面所・ユニットバス・床暖房・ビルトイン食洗機・浴室乾燥機などがありますが、こだわりが強ければ強いほど費用は高くなってしまいます。自分の中で「不要なもの」「グレードを落としてもよいもの」「グレードを落としたくないもの」に分け、不要なものはなくし、グレードを落としてもよいものはコストダウンを検討してみるとよいでしょう。
リフォームなどで取り替え可能なものについては、最初は安価なもので済ませておいて、経済的な余裕ができてからグレードを上げることも考えられます。こだわりの部分が「標準仕様」に含まれている住宅を選択することも、節約という観点からは重要です。
■住宅の延床面積(坪数)を減らす
延床面積を減らせばコストが削減できるということは、イメージしやすいですよね。欲しい部屋やスペースをすべて盛り込んでしまうと、それだけ延床面積は大きくなってしまいます。家族の意見も取り入れながら、優先順位を付けて、削減できる部分を見付けましょう。
建物の形状をシンプルな正方形にしたり、壁や仕切りを少なくして材料や施工の手間を省いたりして間取りをシンプルにすると費用の削減につながります。
■外構にかかる費用を抑える
塀やフェンス、庭、駐車場などの外構工事費は、一般的に付帯工事費の中で大きな割合を占めます。たとえば使用する素材のグレードを落としたり、庭の木を自分で植えたり、駐車場の舗装を見送ったりすることにより、金額は上下します。建物本体とのトータルバランスも考えながら、削減方法を検討してみましょう。
■税金面の優遇特例を活用する
マイホームを建てた人に向けて、補助金の給付や所得税の一部控除など、さまざまな優遇特例が存在します。また、一定の条件をみたす住宅は、一般的な住宅と比較して税制上手厚い優遇措置を受けることができます。
たとえば、住宅ローン控除や住宅取得等資金贈与の特例、不動産取得税の軽減措置などが挙げられますが、利用できる制度についてしっかりと調べて、抜けなく利用するようにしましょう。
■火災保険費用を抑える
住宅ローンを利用する際、火災保険への加入を求められることが多くあります。住宅によって火災保険料は異なりますが、どのような補償が必要かを考えて、同様の補償を行う保険会社を比較検討し、コストカットに務めましょう。
注文住宅の購入費用を抑える際に注意するべきポイント
誰もができるだけ購入費用を抑えたいもの。しかしながら、今後発生するメンテナンス費用やランニングコストなどを考慮すると、削減すべきではないところもあります。
■外壁
家の印象を大きく左右する外壁。できるだけ綺麗に保ちたいところですが、雨風や日差しの影響を受けるため経年劣化が早く、メンテナンスが定期的に必要となります。後日発生するメンテナンス費用のことも考えて、劣化しにくい外壁を選ぶようにしましょう。
■断熱材
断熱材のグレードを下げると、家の中の温度を保つことができず、夏は冷房代が、冬は暖房代が上がってしまうことになります。冷暖房費はランニングコストが高くつくうえ、ヒートショック防止のためにも、断熱材はしっかりとしたものを選ぶのがおすすめです。
■水回り
キッチンや浴室、洗面所、トイレなどの水回りに関する配管設備は、工事費に大きく影響します。水回りを1か所に集めることで、配管工事の費用を抑えることができ、その後の定期メンテナンスも楽になります。漏水や配管詰まりが発生した場合も、配管が近いと原因調査や部品交換などの修理がしやすいでしょう。
■耐震性に関係する部分
地震の発生頻度が高い日本では、地震によるリスクを減少させるためにも、制震対策や免振対策はしっかりと行っておきましょう。
注文住宅の購入にかかる費用の内訳や予算内に収めるコツ、費用を抑える際の注意点についてご紹介しました。資金計画は、土地と建築費用を合わせた総予算の上限と、こだわりたい箇所をはっきりさせるところから始めるとよいですね。必要な費用をしっかりと把握した上で、一緒に暮らす家族やハウスメーカーの人などにも相談しながら、理想の家をつくっていきましょう。