平屋の注文住宅には中庭を設けたほうがいいってホント?
ワンフロアにすべてが揃う「平屋」の暮らしは、いかがでしょうか。ほどよい広さで、階段の昇り降りがなく、どの部屋も庭とのつながりが楽しめる平屋ならではの暮らし。そして、平屋にするのであれば、中庭を設けるという選択肢があります。それでは、平屋の注文住宅には、中庭を設けたほうがよいのか、見ていきましょう。
平屋に中庭をつくる利点
階段のない暮らしや将来への備えも考えたワンフロアの暮らしは、もっと早く平屋に住みたかったと思えるほど快適です。平屋に中庭を設けることで、どんな利点があるのでしょうか。
■採光性がいい
中庭のある家は、採光性がいいという特徴があります。一般的に、中庭を設ける場合は、居住空間との間をサッシや窓などで仕切り、家の中から中庭を眺められるよう、設計します。日中は照明設備に頼らずとも、自然の光を楽しむことができます。また、すべての部屋を中庭に面して配置すれば、どの部屋も明るく、中庭の緑を楽しめる空間になります。
■風通しの良い部屋
平屋の長い庇が日差しを遮ります。さらに、平屋は大きな窓が設けやすく、2階がない分、天井に天窓もつけやすいため、風が通り抜ける道が生まれます。窓の開放には、外からの目が気になるという人も多いのですが、中庭に面している窓であれば、視線を気にすることなく、開けられるのはメリットといえるでしょう。
■コミュニケーションが取りやすい
平屋は、生活がワンフロアで完結します。そのため、家族と顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションが取りやすくなります。個室で過ごす時間が長くて様子がわからないというケースがありますが、平屋はすべての部屋がワンフロアにあるので、自然と顔を合わせやすく様子もわかります。
中庭をつくる際の注意点
中庭は生活のなかに潤いをもたらしてくれる一方、注意する点もあります。平屋には広い敷地が必要になるため、まず、建築費用が高額になるということです。また、坪単価にすると2階建てより少し高くなるケースもあります。詳しく注意点もおさえておきましょう。
■平屋は広い敷地が必要
中庭を設けるには、その分、居住空間を狭くするか、中庭のスペースをプラスで確保するかの二者択一になります。希望する居住スペースに中庭をプラスするとなると、広いスペースが必要となります。
一番のデメリットとして挙げられるのが、同じ延床面積の家を建てる場合、2階建てよりも広い敷地が必要になる点です。土地には、建築基準法により用途地域が定められ、敷地に対して、どのぐらいの広さの家を建ててよいのかを建ぺい率で表しています。そのため、建ぺい率が50%の場合、平屋は土地の半分までしか家を建てられないことになりますので、注意する必要があります。
■平屋は建物の坪単価が高くなることも
同じ延床面積の平屋と総2階の建物を比べた場合、平屋は屋根と基礎の面積が2階建ての倍になるため、その分の工事費がアップして坪単価が高くなることがあります。単純に計算してもその分の建築費用が上がることになるでしょう。しかし、2階のトイレや洗面台などの住宅設備が不要なため、その分の費用が抑えられるケースもあります。平屋は、坪単価にすると2階建てより少し高くなることも覚えておくとよいです。
中庭は光と開放感をもたらす
平屋には、コモンスペースを中心にして個室やキッチン、ガレージなどをプランニングしてくれます。各部屋の動線の中心となるので、ゆるやかな交流の場所になります。何よりも生活動線が楽である、解放感があるなどの魅力があります。
■ほどよい広さと一体感
ほどよい広さで、建物で庭を囲み、光と風を内から取り込みます。土地にゆとりがあり、庭を広くとれる郊外では、外部空間も充実させ、外との一体感を高めてくれるでしょう。中庭は、家での時間を優雅に楽しみたい人や、日々緑のある生活を楽しみたい人、子どもを安全に遊ばせたい人など、さまざまなニーズに対応してくれます。
■現代的かつオシャレ
一方では、2階建てなどの住宅と比較して、間取りが単純であることが多くみられますが、単調な印象の平屋でも中庭を設けることで現代的、かつおしゃれな住宅になります。中庭のある家は、より一層解放感があり、家全体がおしゃれな雰囲気になります。外観のよさを向上させ、家にいながらにして、外の空気も感じられるのは、中庭ならではのメリットではないでしょうか。
階段の昇り降りがなく、どの部屋も庭とのつながりが楽しめる平屋ならではの暮らし。そして、中庭があると想像以上にできることの幅が広がりました。利点だけでなく、注意する点もあります。両者を踏まえ中庭のある平屋で、おしゃれで潤いのある生活を楽しみましょう。これからの人生をさらに豊かに彩るために、中庭のある現代的、そしてオシャレな暮らしをしてみませんか。