注文住宅の「内壁」って何?内壁の役割とおすすめの素材とは
内壁とは間仕切り壁とも呼ばれる家の中の壁です。内壁を外した中にある柱などが家を支えているのに対し、内壁自体は部屋を仕切ることが役割となっています。外壁に比べて内壁は自由度やデザイン性が高く、家の中の印象を決めることもあるため、せっかくならこだわりたいところ。ここではそんな内壁について詳しくお伝えします。
内壁とは?
家の外の壁を外壁というのに対して、家の中の壁の事を内壁といいます。お寺や和風の住宅などで、よく見る柱が見えている壁を真壁といい、壁で柱を隠すように覆ったものを大壁といいます。真壁は和室に使われることが多く、日本の伝統的な建築方法です。柱をあえて見える状態にするため、化粧柱という節の少ない良質で綺麗な木が使われます。
ヒバや杉、無垢材などが使われることが多く、太さもさまざまです。丸太から切り出して加工するので、柱にする時の太さが太くなればなるだけ、大きい丸太が必要になり、価格も上がります。柱が見える構造なので、メンテナンスがしやすいといったメリットもあります。
もう一つの工法である大壁は、ハウスメーカーなどで採用されていることも多く、近年の洋風なデザインの住宅では、設備や構造の利便性からも多い工法と言えるでしょう。
柱を壁で隠してしまうため、木の材質にこだわらなくても良いことや、真壁と比較すると工期も早いため、安く施工することができます。真壁と比べて柱が壁の内側に入った構造のため、状態がわかりにくく、メンテナンスがしにくい点がデメリットとも言えるでしょう。
内壁材の選び方と一般的な素材
内壁材もさまざまな種類があり、イメージや予算によって選ぶ事ができます。どんな壁が良いか分からない、イメージが湧かない。と思っていらっしゃる方のために、種類と特徴についてお話します。
クロス
DIYをされる方であれば、聞いたことがある素材かもしれません。一般的にハウスメーカーなどの住宅に、多く採用されている内壁です。ビニール製、紙製、織物性などがあり、プリント加工や素材の加工で、漆喰風の塗り壁や木目調のものや、石に見える加工などがあり、材質やデザインが豊富です。
種類によって価格には幅があります。なかには、貼りやすいものもあり、DIYでも使いやすいクロスがホームセンターなどで販売されている場合もありますが、材質や貼りたい場所、面積によっては専門の道具や技術が必要になるでしょう。
塗装
左官職人が手作業で塗る壁です。漆喰や土、珪藻土などの種類があります。職人の技術で様々な表情が出せるので、高級感があります。断熱、防火、防音効果があり、アレルギー対策としても選ばれています。
木質
天然目や無垢材を化粧合板にして、壁に貼り付けます。木のぬくもりがあり、時間が経つにつれて味わいが出てきます。
タイル
水回りや部屋のアクセントとして使われることが多い素材です。湿気を調整できる種類や、消臭機能を持った種類のタイルもあります。
パネル
パネルはキッチンのコンロ周りやトイレ、浴室に使われることが多いです。汚れが付きにくく落としやすい性質をもち、実験室などの壁にも採用されています。耐火性、耐溶液性などの機能があります。
デザイン性と利便性を考えて選ぼう
内壁といっても機能やデザイン、価格はさまざまです。それぞれの場所に合った内壁材を選ぶとお掃除がしやすく、居心地の良い快適な住まいになるでしょう。では、どんな壁材がどこに適しているのでしょうか。次では、壁材の種類や適した場所についてお伝えします。
クロス
デザインや色、質感の違う種類が豊富にあるので、シックでスタイリッシュなデザインから花柄やポップなもの、シンプルなもの高級感のあるものまで、さまざまです。
抗菌加工や消臭加工、抗アレルゲン加工などの加工が施されているものもあり、汚れがつきにくく落としやすいといったメリットがあります。衝撃や傷に弱く下地の凹凸が表面に浮き出てしまうことがあります。
また、柄が大きく描かれたものは、柄につなぎ目が出ないように、乾燥後のクロスの伸縮を考えて貼る必要があります。種類は豊富ですが、材質やデザインによっては、貼るのに熟練した技術が必要になります。リビングや寝室、トイレ周りや子ども部屋など、大体のお部屋に使うことができます。
塗装
珪藻土は調質効果、保湿効果、耐火性、吸水性があります。質感がざらっとした仕上がりになるため、こすると粉が出ることや、衝撃に弱くひび割れしやすいといったデメリットがあります。漆喰は珪藻土に比べて、表面がツルツルとした仕上がりになります。
また、石灰石や消石灰が原料で、壁に貼り付けるための、のりが必要です。のりにも天然ののりと化学物質を使ったのりがあり、近年では取り扱いに注意が必要な消石灰にかわって、ミネラル物質の原料を使っているものなど、体に優しい素材もあります。
耐火性、調湿性、防臭効果に優れているので、玄関やトイレ、洗面所、リビングに適しているといえるでしょう。全面だけでなく、アクセントとしてお部屋の一部に取り入れているなど、デザインや塗り方でお部屋の表情を変えることができます。珪藻土に比べ、衝撃や傷に強いのですが、防カビ効果や抗菌効果は劣ります。
木質
木質は木の質感が出ることもあり、ぬくもりのある落ち着いたデザインになります。杉やヒノキ、無垢材を使うことが多く、調湿機能があるため、ダニやカビの発生と増殖を防ぎやすいとされています。
そのほかにも、吸音やリラックス効果も期待できるので、リビングや寝室、ダイニングや洗面所など、あらゆる場所に使うことができます。お部屋の一部を羽目板にすることでアクセントとしても使えますが、木そのものを加工しているため、キッチン周りなど熱が発生しやすい場所には向かないといえるでしょう。
タイル
耐久性・耐火性がある、汚れが目立ちにくく掃除がしやすい、劣化しにくい、変質しにくい、メンテナンスが簡単、組み合わせ方でバリエーションがあるなどの特徴があるため、キッチンやトイレなどの水回りや、お部屋のアクセントとして使うことができます。ナチュラル、スタイリッシュ、高級感までさまざまな雰囲気を出せますよ。
パネル
何と言っても汚れがつきにくく落としやすい、溝が無いので掃除がしやすいといった機能があります。加工によっては耐火性、防水性のものもあったり、マグネットが使用できたりするものも。主にキッチン周りや浴室に使われることが多い材質です。メンテナンスが軽い一方で、大きなパネルを貼る都合上、組み合わせることが難しい、カラーなどバリエーションが限られているといったデメリットもあります。
内壁といっても種類や用途がさまざまです。デザインや機能など目的によっても、どの部屋をどんな内壁にするか選ぶ必要があるでしょう。メリットとデメリットを比較して、目的とデザインに合った内壁で快適な毎日を過ごしてくださいね。