注文住宅で起きがちなトラブルとは?防止策を事前に確認しておこう!
これから注文住宅の購入を検討されている方にとって、予期せぬトラブルに遭遇しないよう、事前に何が起こるか把握しておくと安心です。トラブルを前もって回避できるよう、注文住宅に必要な準備を今から進めていきましょう。今回、注文住宅で起きがちなトラブルと、防止策および対処法について解説していきます。
注文住宅はトラブルが多い?
注文住宅は、施工から引渡しまでに複数のトラブルが発生する可能性があります。ここでは、よく起こるトラブルの事例として、以下の4つを紹介していきます。
■住宅引渡し後に施行ミスが見つかる
注文住宅の施工が完了した後、実際に住み始めてから気になる点が見つかることもあります。一部の例に、内壁や外壁の塗装に剥がれや、ドアに傷、窓の取り付けなどの設備の不具合が挙げられます。このような不具合は、施工ミスといえます。引渡し後に施工ミスが見つかると、修繕や直しの再依頼に時間を取られてしまいます。
■工期が遅れる
注文住宅の施工が開始されてから、引き渡しまでの期間を、工期といいます。工期遅れは、契約時に決めた引き渡しの期日を過ぎてしまうことを指します。一般的な工期は4か月とされていますが、災害などの想定できないトラブルにより、予定よりも住宅の引渡し日が遅れてしまうことがあります。
■イメージと違う仕上がりの住宅となる
事前の打ち合わせで、施工業者に希望の住宅イメージを伝えたつもりが、引き渡し後に思っていたイメージと違う場合があります。依頼主の思う希望の住宅イメージを、施工業者へ的確に伝える難しさがあります。施工業者はプロであるから安心、と完全に任せてしまうと、住宅の仕上がりに注意が必要となります。
■施工中に近隣から苦情が生じる
施工中に苦情が生じる例に、業者の車両が道を塞いでしまう場合や、施工中に発生する騒音やホコリなどがあります。その際の近隣からの苦情は、依頼主でなく施工業者に責任があります。しかし、苦情の責任は負わないにしても、住宅完成後の近所付き合いで依頼主に影響がおよぶ可能性はあります。
注文住宅のトラブル防止策
前述に紹介した4つのトラブル事例について、それぞれの防止策を解説していきます。
■施行ミス発生の防止策
施工業者による施工ミスを防ぐためには、何度か施工中の様子を確認し、写真などの記録として残しておきましょう。防止策のポイントは、住宅の引渡し前に施工ミスを見つけることです。依頼主からの定期的な現場の確認により、施工業者側と二重にチェックができるため、細かな確認の漏れが防げます。
■工期遅れの防止策
工期遅れの防止策として、トラブルにすぐに対応できるよう、施工業者の工程表を控えとしてもらっておきましょう。工程表があることで、現場へ見学したときに、施工スケジュールと実際の状況に違いがないか確認できます。
工期遅れが生じた理由も、依頼主側の途中の変更指示が影響したのか、施工業者側の段取りが影響したのかが工程表によって明確になります。施工業者側に責任があれば、契約上は違約の対象となるため、前もって決めている違約金が支払われます。
■イメージと違う仕上がりの防止策
イメージ相違の防止策として、事前の打ち合わせの際に内装のサンプルや、住宅全体を模型で説明を受けられる施工業者を選びましょう。依頼主が希望する住宅イメージを、前もって具体的な形にしてくれる施工業者であれば、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。そのような施工業者が見当たらない場合は、自身が希望するイメージに近い内装デザインや、住宅全体の写真を準備しておくと、イメージの大きな相違を防ぐことができます。
■近隣からの苦情の防止策
施工による近隣からの苦情の防止策として、事前に依頼主から近隣の方へ挨拶しておきましょう。挨拶先は、自身が住宅を建てる敷地の左右前後にいる近隣の方が一般的な対象となります。
その際は、工期などの施工日程を伝え、施工開始日から終了予定日まで把握してもらいましょう。挨拶の際、近隣の方が不在の場合は、ポストへ手紙を入れておくこともできます。近所付き合いを大切にするために、新居生活が始まる前のコミュニケーションを積極的にとっておくことをおすすめします。
万が一、トラブルが起きてしまったら?
万が一、トラブルが実際に起きてしまった場合は、対処法があります。4つのトラブルごとに、以下へ解説していきます。
■施工ミスが発覚した場合の対処法
住宅が引き渡された後に施工ミスが発覚した場合、基本は施工業者側の責任となります。契約書には、一般的に施工ミスが発覚した際の施工業者側の対応について、記載されています。契約書に記載がない場合は、法律のプロに相談しましょう。
■工期遅れが発生した場合の対処法
注文住宅の工期遅れが発生した場合、期日を延長した際の完成予定日と、引渡し日をあらためて定めてもらいましょう。また、遅れが発生した責任の所在を、明確にしましょう。施工業者などの売主側に責任があれば、工期遅れが発生した分、仮住まいの費用などを請求できます。
■イメージと違う仕上がりとなった場合の対処法
「イメージと違う」など、契約した図面と実際の住宅に違いがある場合は、施工業者側が契約違反となります。基本は、施工内容や図の変更があったにもかかわらず、依頼主に対する申し出や提出がなければ、施工業者の責任となります。そのため、契約した図面と住宅が違う場合、対応に関する記載があるか、契約書を確認してみましょう。契約書に記載がない場合は、法律のプロに相談しましょう。
■近隣から苦情が発生した場合の対処法
苦情の責任を負っている施工業者に、まずは対応してもらいましょう。対応が無事に済んだ後、施工業者と共に依頼者自身も、近隣の方へお詫びの意を示しにいきます。その際は、近隣の方へ施工再開の協力を依頼しましょう。2、3日後に、もう一度様子を確認するところまで配慮できれば、近隣の方から丁寧な印象を持ってもらえる可能性が高くなります。
注文住宅で起きがちなトラブルと、防止策および対処法について解説してきました。施工業者との打ち合わせから始まり、施工の最中、住宅が完成した後の引き渡しまで、それぞれの過程によってトラブルの特徴がありました。これから注文住宅の購入を検討されている方は、トラブルに備えた防止策から進めてみることをおすすめします。